パラレルライン



「ヘタレじゃないんなら自分で渡してきな!」

ガタッ

無理矢理座っていた龍太郎を立たせて背中を押した。

「今日を逃せば後チャンスはないよ!?」

「は!?まだ夏休みまで何日か…」

「ばーか」

龍太郎の背中を押しながら、あたしは言った。

「あんたの今日のラッキーカラー…ピンクだよ!今日しかないんだからね!」

ドンッ

「いって…」

龍太郎を突き飛ばして廊下に出した。

龍太郎は背中をさすりながら、また眉間にしわを寄せて不機嫌そうな顔をした。

「ファイト♪」

頑張ってね、龍太郎。

きっと成功するから。


『気になる人に近づくチャンス!積極的に行動すれば必ず成功するよ!』

占いは信じないタイプだったけど、1位の時は信じたくなるもんね!



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