パラレルライン
「よかった!」
龍太郎はその一言だけ呟くと
じゃ、と片手を上げて立ち去った。
だんだん小さくなる龍太郎。
見えなくなるまでその姿を見ていた。
龍太郎の姿が見えなくなったとき、
あたしはモヤモヤが消えていることに気づいた。
龍太郎、ありがとね。
やっぱり、龍太郎は仲の良い友達でいたい。
龍太郎のおかげで、また元に戻れそうだよ。
あたしは家に入って袋からアイスを取り出した。
ちょっと溶けてるけど、
すっごく美味しい。
メロンパンより良かったかも。
あたしから自然と笑顔がこぼれた。