パラレルライン
「聞いてたしっ!百合がなんかしたんでしょ!」
「なんかしたって、やっぱ聞いてねーじゃん!」
「半分聞いてたからいいじゃん!」
…だいたいねぇ
なんで毎日のろけを聞かなきゃいけないのよ!?
こっちだって飽きるっつの!
龍太郎は紙パックにストローをぷすっと刺し、
イチゴ・オレを飲んでいる。
うわ…おいしそ…
「おいしそー☆飲みたーい☆」
「は?」
あたしが思ってたことが
龍太郎の口から出てきた。
「お前の考えてることはだいたいわかるんだよ」
「はー?なにそれ」
「すげーべ」
ニカッと歯を見せた龍太郎。
「…別にっ」
なんか龍太郎に一本取られてるみたいで
あたしは恥ずかしくなった。