パラレルライン



「…よし、プリントとじ終わったね!職員室に届けるんだよね?」

「あ、いいよ百合、あたしが届けてくる」

「そう?」



だけど


『それ中身ねーよ?』


あんなやつのために
そんなことしてあげたくない

だって、龍太郎
ムカつくんだもん…


大ッ嫌いだよ

あんな風にからかってさ…


「うん、今日はありがとう、百合」

「どういたしまして!じゃあね!龍太郎くんには内緒だよ!?」

「うん!じゃあね」



百合は夕焼けに染まる教室を後にした。


言われなくても、
内緒にするよ…





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