狼と兎～a childhood friend～

「ウソ…」


「ウソじゃありません…」


「ウソ…」


「ウソじゃありません。携帯の時計見てみてください…」


ミホリにそう言われ、あたしは自分の携帯を開いた。


「…八時だけど…」


「私の時計はもう九時です」


「八時だけど…」


「九時です。昨日、梨空ちゃんお風呂の中に携帯落しましたよね…？」


そう言えば…


昨日そんな事があったような、なかったような…


「梨空ちゃん、多分その時に携帯が狂ったんじゃないかと思うんですけど…」


「……」


「今日は完ぺき遅刻です…」


「……」


「明日、出直しましょう…」





次の日。


「今日こそは！」


「今日こそはですね！」


あたしとミホリは家の塀の陰に隠れてる。


「聖が出てきたらあたしの後ろから聖に気づかれないようについてきて！」


「はい！」