狼と兎~a childhood friend~
食べ飽きたって…
どんだけ食ってたんだよ…
そりゃ何回も食ってりゃ、食える場所もなくなってくるだろうよ…。
いずれ餌は骨になるんだから……
「だからってあたしは聖に食われないからね!」
「お前は俺に食われるよ」
「そんなに腹減ってんだったら新しい餌でも見つけて食え!あたしは長生きしたくてしょうがない兎だから中々捕まらないよ!」
「あ~そうかい」
「あ~そうですよ」
あたしは残り約百メートル先にある学校の門まで駆け足で向かった。
「あの兎…どこまで逃げ切るか…いつかぜってぇ食ってやる」
聖が密かにそう呟いたのは、もう既に学校の門を超えたあたしに聞こえてるよしもない…。