狼と兎~a childhood friend~


ちっ。


短期なあたしはだんだん腹が立ってきて心の中で舌打ちをしてからもう一回問いかけた。


「どうしたの?何で泣いてんの…?」


「…うぅ…騙っ…されたっ…」


「…騙された?」


「『お前と付き合ってやるからそのかわりに食わせろ』って…」


…ん?食わせろ?


「…それで?」


「それでっ…さっき…やるだけやって…捨てられたっ…」


「捨てられたって…」


もしかして…


「わっ…私が…『やらせてあげたから付き合って』って言ったら…」


「言ったら…?」


「『俺、食えればそれで良いから』って…私っ…私…」


そのまま女子はその場にしゃがみ込んだ。


…話の内容からするとさっきあたしが見たあれだな。


っと、考えると犯人は…


「その相手ってさ、もしかして聖?」


あたしがそう聞くと女子は黙って頷いた。


やっぱりあいつか…


あいつ無責任だな。食うだけ食って食い残すってか。


どんだけ贅沢な狼なんだ、あいつは。





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