可愛く無くてごめんなさい~わがままお嬢様とその執事~愛鈴編
「…林檎をすりおろしましょう。」


高瀬、戻って来てそのまま。


林檎の皮を剥く。


スルスル……。


器用な手つきで、あっという間に剥き終わる。



真剣な表情が、格好いい。


キュン。


胸が高鳴る。


「少しばかり、蜂蜜を入れましょうね。」


と、高瀬。


「あ…それ、好きかも…。」


甘酸っぱくて、美味しいのよね。


「はい…。そう思ったんですよ。」


と、高瀬。


林檎をすりおろしながら、微笑む。


「お嬢様…小さな時からお腹を壊してた時や熱がおありな時には、良く私がこうやってお作りしたんですよ?」


ふふ。


思い出したのか、高瀬。


小さく微笑む。


とっても優しい笑顔。
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