可愛く無くてごめんなさい~わがままお嬢様とその執事~愛鈴編
「へっ平気よ?別に…。」



プイ、なんて。


顔を背けちゃう。


あたしは本当に、可愛くない…。


「…何か…ありましたか?」


カチャ。


高瀬がお盆をテーブルに乗せながら、尋ねる。



「え?」


「何か…心配そうに為さってましたね。もしかすると眠れない理由では、と思って。」


高瀬がスッとあたしの足元に、ひざまずく。


「…旦那さまの事でしたら、多分………。」

!


「違うっお父様の事は言わないで…っきっともう、あたしの事なんて…忘れて…。」

「そんな事はありませんよ?」


高瀬が静かに微笑んだ。


「旦那さまは何時でも、お嬢様を大切に為さっております。」


「…そうかしら?」


そうは見えなかったけど。


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