Innocent shine―光の道しるべ―
「怪我とかありませんか?本当にすみませんでした」


少年は恥ずかしがる様子も慌てる様子もなく、もう一度謝罪を述べた。

その言葉に、呆けたように少年を見つめる悠希は我に返った。



「大丈夫、です。よそ見しててごめんなさい」



ぶつかったことと、それに対する優しい問いかけの両方の恥ずかしさに、悠希は俯きがちに頷いた。


少年はそんな悠希の様子に、いえ、こちらこそ、と小さく笑ってまた歩き出した。


悠希と美緒も、それにならうように再び歩を進める。


「ねぇ、悠希、今の人すごくかっこよかったね」



一部始終を見守っていた美緒は、後ろに目線をやりながら、悠希の耳元で弾んだ口調でそう言った。




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