キスシリーズ~キミにキス~ 短編


「奏!!」


あっ…磨祐だ…。


「磨祐!!」


「奏、今がチャンスなんじゃない?」


耳元で杏がそう言った。


はぁ!?


無理無理無理!!


私は手を左右に振る。


「まぁいいけど…がんばんなよ!」


何を頑張れと?


頑張るところなんてないと思うけど…。


「奏、屋上行こ!」


いつものなつっこい笑顔が今日はやけに眩しい。


磨祐は結構子供っぽい。


だからかな?いつもは見せない真剣な顔とか、かっこいいところを見せられるとドキッとしてしまう…。


「奏?どうかした?」


磨祐の顔が近い。


そんなに近いと目が唇にいっちゃうよ…。


「な…なんでもないよ?」


「ほんとに?あっ今日もバスケの練習見に来るんだろ?」


「うん、行くよ?」


「じゃ、かっこいいとこ見せないとな!」


ガッツポーズをとる磨祐。


バスケ大好きなんだなぁ…。


「奏、やっぱり変だ…何かあっただろ?」


首を傾げて悲しそうな顔をする。



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