極上甘々彼氏様
「どこ行くの?」
「便所」
「ちょっとぉー陸ってば下品」
陸はダルそうに屋上を出た。
えっ……佐々木さんと2人きりだし…。
な、なんか気まずいよ。
少し、沈黙が続いた。
「牧野さんてさ、本当に陸の彼女?」
沈黙を破ったのは佐々木さんだった。
「い…一応、そうだと思う」
「なにそれ。意味わかんない」
なんか、さっきより怖いんだけど。
さっきまであんなに声高かったのに。
「遠回しに言うの、あたし嫌いなの」
「…そう、ですか」
「だからハッキリ言うけど、
あたし、陸の元カノ」
思ってもなかった言葉。
てっきり、"別れて"とか言われるのかと…
「でも、あたしはまだ陸のこと好きなの」
何が言いたいんだろう…
ハッキリ言ってるのに、分からない。
「あのさ、聞いてんの?」
「え!?あ、うん!聞いてるよ」
「……あんたみたいな奴、大嫌い!!」
えぇー!?
あたし、さっそく嫌われた!?