極上甘々彼氏様
隣でニヤニヤしながら
俺があげたいちごクリームパンを眺める女。
「何だよ?さっさと食え」
「嬉しいの。陸が、くれたから」
と、恥ずかし気もなく笑って言う羽梨。
─ドキドキ…
何だよ、これ。
心臓うるせぇ。
羽梨を見てるとバカみたい
心臓がバクバクする。
俺は、羽梨みたいに鈍感じゃねぇ。
俺は……羽梨が好きなのか?
羽梨はパンを食べ終えた。
「ありがと、陸!おいしかった」
「…別に感想とか聞いてねぇよ」
「あ……ごめん」
何謝らせてんの、俺。
でも、羽梨といると全然余裕がなくなる。
だから思ってもないことを口走ってしまう。
─ 放課後
「あの…陸。一緒に帰れないかな?」
羽梨は、恥ずかしそうに
俺の席にきて、そう言った。
「…無理」
言った瞬間、ハッとした。
うわ……またやっちまった。
「そうだよね……。ごめん」
羽梨は寂しそうに笑って俺に背を向けた。
バカかよ俺は……。