極上甘々彼氏様
陸…は?
何で何も言ってくれないの?
もう……やだ。
「あはっ…あたし、り…藤堂くんと付き合ってなんかないよ!」
精一杯の強がり。
勘違いしてた、なんてみんなに思われたら
恥ずかしいもん。
だからと言って自信を持って
「付き合ってる。勘違いじゃない」なんて
言える勇気はあたしにはない。
「ごめん。薫ちゃん…ちょっとトイレ」
薫ちゃんにカバンを渡して教室を出た。
「…ぅ…っく…ふぇ…っ」
もう…何なの…涙なんか、出ないでよ。
あたしはそのまま屋上に行っていた。
「…朝から最悪だよ……」
愚痴をこぼしてみても、
「…っ…やっぱり、好きだよぉ…!」
陸が大好きなんだ。
何で?あんな無口で人をパシりに
使うような、あんな男……
なにが……いいのよぉ…。
すると、屋上のドアが開く音がした。