極上甘々彼氏様
「ただし、俺の前で泣くな。泣く女は嫌いだ。あと、俺の行動に口出しすんな」
あの時は、泣くなんて思わなかった。
幸せすぎて、ずっと笑っていられるって
思ってた。
…だけど現実、いちごミルクみたいに
甘くはなくて、毎日泣いてた。
陸の前以外で。
陸の前だけでは泣けなかった。
嫌われたくなくて、振られたくなくて。
傍に居られて嬉しかった。
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「今日、購買、結構混んでるなぁ……」
あたしは人をかき分けて
いちごミルクを買った。
あとは、メロンパンだ。
いちごミルクとメロンパンって……
ほんと陸って甘党だな…。
「おばちゃーん!メロンパンちょうだい」
購買のおばちゃんとは仲良し。
パシられてるから購買の常連だしね。
「あらーごめんなさい。今日は売り切れ」
「嘘!?」
「陸くんに怒られるかしら?ごめんなさいねぇ」
「い、いえ…大丈夫です!じゃあ、チョコパンちょうだい!」
「はいどーぞ」
あたしはおばちゃんにお金を渡して
チョコパンの入った袋を受け取った。
陸……怒るかな。