極上甘々彼氏様

「泣いてんじゃん」


あー…もう俺のバカ。

んなこと言いたいんじゃねぇんだよ。


「な…泣いて、ないっ…」


やっべ。

もっと泣かせた?


「あの…だから……ごめん」


俺は…謝った。

何に対してかは…正直わからない。

でも……泣かれたら

何て言えばいいか分かんねぇし…。


「もう…いいよ」

「…え?」

「陸は、佐々木さんが好きなんだよね」


………………

………………………はい?

佐々木……って麻衣?

違うからっ!!!


羽梨は俺の方を向いた。

少し、目が赤い。


「ははっ……あたし、ちょっと期待してた。
陸が少しでもあたしのこと、好きになってくれてるかなって…思ってた。
やっぱり……違うよね」


なんだよそれ……。

お前、勘違いだらけだぞ?


「…じゃあね、明日からは…彼女じゃない
……って元々彼女じゃなかった?」


羽梨は無理やり笑っていた。

< 32 / 39 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop