極上甘々彼氏様
俺は羽梨が好きなわけではない。
まぁ、彼女だけど。
パシり状態。
他の女と違って、泣いたり
俺の行動にいちいち口出ししねぇし。
隣に置いておくにはいい。
俺は、屋上で1人、羽梨を待っていた。
─ギィッ…
やっと来たか。
と、体を起こすと
「りーくっ」
「…何だよ、麻衣か」
佐々木麻衣。俺の元カノ。
俺が冷たいという理由で別れた。
まぁ、好きじゃなかったし。
「何してんのー?」
「別に」
「やっぱり冷たいな」
「知ってる」
短い会話を終えると、
麻衣が俺の横に座った。
「陸さ、今…彼女いるでしょ?」
「あぁ。知ってんの?」
「うん。あたし、結構情報通だから」
得意気に話す麻衣は、やっぱり美人。
付き合ってた頃、学校1美人だとか
何とか騒がれていた程だ。
「牧野さんでしょ」
「ああ」
「好きなの?」
「…違う」
「かわいそー」
余計なお世話だっての。