世界で1番君が好き
「ほらよ」

袋から差し出したのは、冷気漂うキンキンに冷えたカップアイス。

「これ…」

とりあえず差し出されたので、受け取るとすごく冷たかった。

「特別におごり」

京君はにやりと笑った。

「あ、ありがとう」

意地悪な京君がこんなことをしてくれるなんて。

「今度百倍にして返してな」

「何それ!!」

私達は笑いながら駅の外のベンチでアイスを食べた。

焼けつくような暑さの中食べたアイスは、今まで生きてきた中で1番おいしくて、私はいつの間にか自然と笑えていた。
その時、やっぱり京君は違うなって思ったんだ。

京君のことが好きだって、心の底から思えた日だった。

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