世界で1番君が好き
次の日の昼休み、お弁当を準備する前に糸山君が私に会いにきた。

「どうしたの?」

廊下で話していると、糸山君ファンの視線を感じてちょっと痛い。

「これ」

糸山君が差し出したのは、サッカーの試合のチケット2枚。

「このチーム、京がめっちゃ好きなとこなんだ。誘ってみなよ」

「いいの?糸山君行きたいんじゃない?」

彼だってサッカー部員なんだから試合を見たいだろう。

「いいの、いいの。そこのチームあんま好きじゃないし、チケットもらいものだし」

「ありがとう」

私は最大限の感謝をこめた。

「じゃ、頑張ってね」

糸山君は言うと、爽やかに去って行った。

私はチケットをじっくり見つめた。

今週の土曜か。
すぐ誘わなきゃ。
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