世界で1番君が好き
「そうじゃないかなって思ってたから」

私は笑った。
仮面をつけたのだ。

「最初っから桜さんにはかなわないって分かってた」

あんなに綺麗で可愛い人に。
私みたいにひねくれた人間は勝てない。

「だからいいの。全然こたえてないから」

途中で泣くんじゃないかと思っていたけど、幼い頃から身についた仮面は簡単に外れない強固なものだった。

「それじゃあ、また学校で」
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