わたあめ
学園祭を終えたあたし達。

拓哉が家まで送ってくれた。

「無理するなよ?」

あたしの髪の毛をくしゃくしゃと撫でる拓哉。

「分かってるよ・・・、じゃあね」

「おう」

大丈夫な訳ない。

あたしは部屋に入るなり

ベッドで、ずっとずっと泣いていた。

「あきらぁぁぁ・・・・っっ」

届かない、悲痛な叫びだった。
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