わたあめ
昌だ。

―3.感情をそのままに出す―

足を止める。

「どうして来たの?」

風が一変した。

強い風が吹きあたしの黒髪は風と共になり

揺れる。

「変だったから・・・」

馬鹿昌。

「あの綺麗な彼女さんはどうしたの?」

あたしは昌に背を向けたまま。

「・・・っ、あれは・・・っ!」

「女遊び好きだね。」

あたしなんて事を言ったんだろう。

最低・・・。

「ちが・・っ」

「あたしなんかの為に心配して来なくて良かったのに。

 ありがと」

作り笑顔だった。

それで精一杯だった。
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