わたあめ
「葵はここから家が近いだろ?」

「うん・・・」

「樋口はここから遠い。ただそれだけ」

昌は心配そうに見つめるあたしを見て

あたしの髪の毛をクシャクシャと

大きい手で撫でた。

「心配すんな」

顔を上げたその先には、

愛おしい昌の笑顔が見えた。

「信じてるから。」

あたしはポツリと呟いた。
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