わたあめ
なんという運の悪さ。

最悪。

「葵・・・、この前はごめん。」

あたしは立止まる。

「いいよ、大丈夫だから。」

素っ気無い態度で言う。

あたしって何て小さい女なんだろう。

「どこに行くの?」

「自分の家。香奈の家に泊まってたの」

「そっか・・・」

会話が弾まない。

どうしてよ・・・。

「なあ、葵」

「何よ?」

喋りたくない。

きっと涙が溢れてしまう。
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