わたあめ
「・・・葵・・・いいな?」

祖父に追い討ちをかけられたあたし。

あたしは下を向いて黙り込む。

「葵!いい加減にしなさい!

 決まった事なんだ・・・。」

祖父が少し怒鳴る。

「・・・嫌です。」

声を振り絞って言った。

白いワンピースの裾を両手でギュッと握った。

「何を言うんだ!葵!」

「嫌と言ったら嫌だわ!」

あたしは言った。

あぁ・・・、あたし。

初めて祖父に逆らったわ。
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