わたあめ
祖父はビックリした顔で

あたしを見た。

「嫌なのよ・・・・。

 あたしはお人形じゃないのよ・・・。」

か細い声であたしは言う。

「拓哉君・・・。

 すまないが、わしは葵と話がしたい。

 少し休憩でもしてくれんか?」

「はい。」

そういって、拓哉は部屋から出て行った。

「・・・葵。

 お前の気持ちも分かる・・・。

 けどしょうがないんじゃ。」

祖父は小さく呟いた。

「・・・でもあたしには・・・。」

この先は言うのはやめた。

”でもあたしには昌がいる”

なんて言ったら

殺されちゃうもの。
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