わたあめ
「・・・昌君だろう・・・?」

え?

今なんて言ったの・・・?

今確かに昌と言った・・・。

知っていたの?

あたしは顔を上げた。

「・・・知ってたんじゃよ。

 だから葵の苦しむ姿も・・・、

 全てわしは知っている・・・。」

「おじい様・・・。

 どうして知ってて・・・、

 婚約者など決めるのですか・・・。」

「しょうがないんじゃ。

 決まったことじゃ・・・。」

祖父は下を向いて呟いた。
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