わたあめ
「・・・あぁ。

 会社を続けるにはそれしか無い。

 しょうがないだろう?」

父は言った。

「・・・しょうがないかもしれませんけど、

 あたしは納得いきません。」

「お前の都合など、気にしてられん。」

黒髪の父。

眼鏡をかけて、スーツを着ていた。

あごには髭。

あぁ・・・、昔は

この髭で遊んでいたわ、あたしも。

「・・・っ・・・、お父様!」

「お前は、家族と昌君。

 どっちを取るんだ?

 今家族を捨てたら、中曽根家は終わりだ。

 話はそれだけか?

 なら、下がれ。

 私は今仕事中だ。

 仕事中には入ってくるなと言ったはずだ。」

「・・・すいませんでした・・・。

 お父様・・・、あたしは・・・。

 いらない子供なのですか?」
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