わたあめ
「もう、あたしの人生終わってる。

 いいの、もう。

 考えても考えなくても一緒。

 結論は結婚よ。

 それにしか辿り着かないと思う。」

「・・・葵様・・・。」

「ねえ。」

せめて、相談できる人が隣にいてほしいと思った。

香奈・・・。

香奈にはいつも相談してきた。

香奈にちょっとは愚痴れば楽になれるかな・・・。

「はい、何でしょうか?」

「香奈を・・・ここに呼んでもいい?」

「おじい様の許可を取らないと・・・。

 中曽根家を通す事はできません。」

長崎はキッパリと言った。

鬱陶しい・・・。

でも、それなりの長崎の優しさ。

そんなのも分かってる。

「・・・じゃあ、おじい様に聞いてきて。」

「了解致しました。しばしお待ち下さい。」

「ん。」

長崎はそう言って部屋を後にした。
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