わたあめ
「分かってるでしょ。

 婚約だよ・・・。

 あたし達、同棲しなきゃいけないの・・・。」

「はぁ!?どっ、同棲!?

 だ、だって、あんた昌君が・・・っ!」

「分かってるよ!!

 しょうがないのっ!!

 もう・・・、決まった事って・・・。

 おじい様が言ってたわ・・・。」

・・・あたしは言った。

香奈は下を向いていた。

「どうすればいいのかな・・・。」

あたしはポツリと呟いた。

「・・・葵。

 それはあんたが決める事。

 家族 or 彼氏・・・。

 どっちを取る?」

香奈は冷静な声で言った。

窓から差し込む光と風があたしの髪の毛をなびかせる。

「・・・分かんないよ。

 比べられない・・・。

 どっちも、大切なの・・・。」
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