わたあめ
「よかろう・・・。」

「あ、っ・・・有難う御座います・・。」


これで・・・良かったんだよね。

香奈・・・。

「失礼しました。」

あたしは今にも泣いてしまいそうだった。

「待て、葵。」

あたしは扉の前でピタリと止まった。

「・・・何ですか。」

「・・・お前は・・・この家に生まれてきて

 幸せか・・・?」

幸せ・・・?

そうね・・・。

「さぁ・・・。

 あたしにも分かりませんわ。」

あたしはそういって部屋を出た。

外で待機していた相田さんがあたしに声をかけた。

「葵様・・・。」

相田さんは悲しそうな顔をしていた。

ああ、聞いてたんだ。

「盗み聞きは関心できないわね。」

「・・・すいません。

 葵様はそれでいいのですか・・・?」

相田さんが恐る恐るあたしに聞いているように見えた。
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