わたあめ
「ふーん・・・。

 夏祭り・・・か。」

拓哉がポツリと呟いた。

「なあ、葵・・・。

 無理すんなよ・・・?」

拓哉はそっとあたしにキスをした。

優しくて・・・涙の味がした・・・。

でも・・・、

昌の方がやっぱ上手いや・・・。

あたしは鼻で笑った。

いつの間にか泣き止んでいた。

「あ?笑ってんじゃねえよ・・・。

 ほら、お前ちょっとは洗顔して来なさい。」


まるでお母さんみたい。

あ、お父さんか・・・・。

「・・・はぁい。」

あたしは部屋にある洗面所に行った。

移動途中に拓哉の声がした。

「じゃ、俺もう帰りますわぁ~。

 バイバイ、葵。」

少しハイテンションな所も昌とはまた違う。
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