わたあめ
「だって、あたしは自分の意思ではっきりさせないの。

 いつも逆らえなくて正直に言えない。

 だから、何でも言える長崎が羨ましいな。」

「葵様は、どうしてそう思うのですか?

 私は葵様が羨ましいですよ?

 いつも明るく振る舞っている葵様が私は羨ましいです。」

「長崎だって明るく振る舞えるでしょ?」

「私にはできませんよ。」

できない?

そんな事ないのよ?

「前向きに考えなきゃ。

 そんな事いつまでも言ってると、人生あっという間だから。」

あたしは笑った。

少し長崎の表情が緩くなった。
< 258 / 337 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop