わたあめ
わたあめがあたしの涙で少し濡れていく。

泣き止んだあとそっと昌があたしの体を離した。

「で、婚約者って何だ・・・?」

「んっ・・・、あのね・・・。

 会社が・・・潰れそうでね・・・。

 結婚しなくちゃいけなくなった・・・の。」

「つまり・・・お前は犠牲なのか?」

「・・・そうみたい。」

あたしは笑顔をみせる。

「意味分かんねぇ・・・。」

「だから・・・あたしを突き放してよぉ・・・・。」

あぁ、ヤバい。

涙が出そう。

あたしはわたあめをパクッと一口食べた。

しょっぱくて涙の味がした。

「離さねぇって言っただろ?」

昌はもう一度あたしにキスをした。

「だから・・・別れなきゃ・・・・。

 でも・・・昌の事好きだよぉ・・・。

 好きで好きでたまらないのっ!!」

あたしは昌に抱きつく。
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