わたあめ
「昌・・・ッ、大丈夫?」

あたしはしゃがんだ。

「俺の婚約者なんだけど。

 とらないでくれる?」

拓哉が尻もちをついた昌の胸ぐらを掴んで立たせた。

「すいません、先輩。

 俺の彼女は葵なんですけど。

 どうせ婚約者なんて、勝手に身内に決められただけでしょう?

 そんなんで調子乗んないで下さいね。」

昌はあざ笑うかのように言った。

もう一度、拓哉が拳を握ったのが分かった。

「もう、いいよ!!!

 お願い・・・やめて・・・。」

あたしは言った。

「いいんだよ、葵。

 女が口出すんじゃねえ。」

あたしはそう言った拓哉と昌をビンタした。
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