わたあめ
扉を開けると、月を窓から眺めている奈々枝がいた。

香奈は眠っている。

「起きてたんだ。」

あたしは扉を閉め、窓際の椅子に座った。

あたしの正面の椅子に奈々枝も座った。

「うん、気づいたら葵がいなかったから。

 葵、あたしに隠し事しているでしょ?」

「・・・ちょっとね。」

「話したくなければいいけど・・・。

 あたしは葵の力になりたい。

 お願い、ダメかな?」

「・・・ううん、いいよ。」

あたしは奈々枝に話した。

「ど、どうしてそんなこと早く話してくれなかったの!?

 あたし、葵が最近変だと思って今日ここに来たの。

 そしたら香奈ちゃんがいたから・・・。」

「・・・ごめん、1人で考えたかった。」

「・・・どうするの?」

「・・・もう別れたよ。」
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