わたあめ
やだ・・・・。

弘樹君怖い・・・。

それからずっと電話は鳴った。

弘樹君から。

あたしは、恐怖を通り越し、怒りへと変わった。

どうしてあたしだけが・・・、

こんな目に合わなきゃいけないのよ!!

あたしは、弘樹君を屋上に呼び出した。

「・・・葵ちゃん、やっと僕に夢中になってくれるの?」

その低い声に少し震える。

「・・・いやだ。」

「・・・葵ちゃん、可愛いよ・・・。

 可愛すぎるよ・・・。」

弘樹君はあたしに近づいてくる。

「い・・・いやぁッ!!」

「はーい、そこまでぇ~♪」

甲高い声が屋上を響かせた。

屋上の扉から出てきた人。

昌だった。
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