わたあめ
その後、順調に式は進んだ。

「それでは、誓いのキスを。」

聖職者が言う。

あたし達はキスの体勢をとった。

少しずつ、少しずつ、唇は近づく。

目をゆっくり閉じる。

・・・その瞬間、いきなり電気が消えた。

会場はざわめく。

・・・バンッ!!!!!

思いっきり扉が開く音がした。

近づいていた唇も一旦離れ、

あたしの顔は少しだけ暗闇に包まれた扉へと視線を移した。

かすかに見えるその先は、身長の高く、仮面をかぶった1人の男。

そして、あたしの体はフワッと持ち上がった。

誰かに抱き上げられた。

タッタッタッとすばやく駆け抜ける足音。

「・・・バカ昌。」

やっぱり君だった。

怖くて目をつぶっていた。

あたしはそっと目を開けた。

そこには、一面に広がる草原。

こんな場所あったんだ。
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