わたあめ
「もう嫌だ!あたしは人形じゃないの!

 人間なの!」

あたしは長崎に苛立ちを押し付けてしまった。

あたしはただ走る。

涙を零しながら。

「どこへ行くのですか!葵様!」

長崎のどんどん遠くなる声。

 決まってる、昌の許へ。

涙はいつまでもいつまでも、

頬を伝って流れていく。

感情を込めた涙は、

おさまらない。

”君に会うまで”ね。
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