孤独の空
「なんでアドレス知ってるの?」
「あ、実は東雲に教えてもらった。
同じ中学校だったからさ。」んー。
理由はよくわかんないけど、私の親友
が教えたなら信用できる子なんだな。
私の親友の名前は東雲香奈と東雲百合
どちらも「東雲」と書くけど、片方は
「しののめ」もう片方は「あずも」と
いう。だけどややこしいからいつもは
「かな」と「ゆり」で使い分けてる。
「で、何の用ですか」「んーと・・・
気になったんだよね、君のコト」
「何故」「いや・・・今は理由は
言えないけど」「あ、そう」続かない
会話が。多分私が会話を切ってるせい
だろうけど。「じゃあ今日はこれで。
さよなら」「えっあっちょっ!」
通話を終了させるとまた音楽の世界へ
没頭していくのだった。

*   *   *   *   *

『うぅ・・・・・っひっく・・・・』
誰か泣いてる・・・・。これは、私?
どうして・・・。私が二人・・・?
でも、泣いてる私は中学生。今の私は
高校生。過去の私が泣いている。
辛かったんだ、きっと。今もそうだ。
だけど今は少し違う。中学生の頃は
夢というものがなかった。だから
辛さが増して、孤独を選んだ。
その方が楽だと勘違いした。今は
自分から孤独を拒絶している。夢は
私を違う自分にさせてくれた。だから
孤独を拒絶してるんだ・・・・・。
『もう、泣かないで。早く夢を
見つけて、孤独から抜け出して』
泣いている私は顔を上げた。
『あなたは・・・私?なんで、
どうして・・・?』『私は・・・』
言いかけたところで意識が遠のき
まわりが白くなった。孤独がどれだけ
寂しいか、知ってるからって
言おうとしたのにな・・・・・。



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