孤独の空
紫外線は強いけどね。晴れは私と
慣れあわない。陰と陽なら私は陰、
でしょ?曇りがぴったりなんだよ。
そんなことを考えているともう学校。
やっぱりまだ人は一人もいない。
早めにでてきて正解だったな。玄関が
開いていない可能性もあったが、
すんなりと入れた。だけど問題は
保健室が開いているかどうか。今の
時刻は7時9分。開いていないよね。
一応保健室の前まで行ってみる。
「?!」人が、いた。保健室の前に、
座っていた。男の人で、どこかで
見たような気がしたんだ。とっさに
隠れる。「誰かいるの?」「・・・」
無言で押し通す。バレちゃった?
いや、そんなことはないハズ!!!
だって見られる前に隠れたし・・・。
「スカート見えてるんだよね。あと
制服の袖」「!」鼓動が速くなる。
どうしよう。嫌だ、いやだ、嫌。
もっと早く来ればよかった。後悔だけ
が押し寄せる。怖いよ。怖すぎる。
「おいでよ。怖いことなんて何も
しない。大丈夫」「・・・・・っ!」
何だか見透かされているような気分。
「本当に何もしない・・・?」
「うん、しないよ」優しい耳に馴染む
声。「でも約束して」「ん?」
「半径1m以内に近づかないで」
「・・・・わかった」私は徐々に男の
人に姿を見せていく。怖くて足が上手
に動かない。
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