わがままになりたい
電話
《中2の春》
1年生の頃からずっと好きだった咲夜とクラスが離れた。
離れたって言っても、うちらの学校は市内でも小さい中学で2クラスしかったけど、うちわやっぱり悲しかった。
「美奈、咲夜とクラス離れて残念だったね」
唯一、うちが咲夜のことを好きだと知っている由紀が話し掛けてきた。
「でも…、由紀と同じクラスになれたからいいのっ」
って、ちょっと強がった。
咲夜と同じクラスになったら、もっと仲良くなって付き合いたいなって思えただろうけど…
クラスも離れちゃったし、咲夜のクラスにわ可愛い子も沢山居たから、うちにわ無理だろうって簡単に諦めた…。
由紀にわもう好きじゃないからって言ったけど、ほんとわ咲夜が大好きだった。
「電話してちゃんと想い伝えてから諦めたら?」
いつもは、優しい由紀がキツい口調になったのがわかった。
「でもさ、迷惑だからいいよ…」
ただ、フラれるのが怖かっただけ。