彼女

生徒会本部は、「会長」三年一人、「副会長」三年一人・二年一人、その他の三年2人・2年2人で構成される。

俺、鈴木優(すずきゆう)は、「副会長」の3年。
今日俺たち三年生生徒会本部が集められたのは、多分新メンバーの2年の紹介だろう。


俺は先輩とか後輩とかには全く興味なくて、もちろん「鈴木先輩」とか「優先輩」とか呼ばれたことがなかった。

「生徒会室」というボロくさい看板がかけられたドアの取っ手に手をかける。
その時、廊下をバタバタ走ってくる女の姿があった。

「優~!今日一緒に帰ろ!」

息切れしながらショートヘアーにてぐしをかけ、シャンプーの淡い香りがする。
この女は市原美優(いちはらみゆ)といって、俺の彼女。
少し気が強いけど・・女らしくて、可愛いと思う。

「今日生徒会の新メンバー発表があるから・・。
また明日帰ろう」

「・・そぉ。了解!」

そういってまた教室へ走り出す。
小柄な体型には大きすぎるバックが目立つ。

ガチャッ・・


「よぉ~!優きたかぁ!」
「・・早く座れよ。遅いんだよ。クソ副会長が。」

会長の「クソ」発言に少しイラつくが、早く終わらせたいので黙っとく。

「さぁ~!待ちに待った新メンバー自己紹介!旧メンバーも改めて、紹介してね」

実際、本当に初対面なのは新しく決まった「副会長」だけ。
その他は・・なんていうか、もう分かり尽くしている。
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