わすれたくて・・・
大河が私の顔を覗き込む。

私はソレで我に帰った。
「ん~?何もないよぉ?!」

私は平然を装って言った。

「ホントかぁ?何か悩んでねぇ?オレ、いっつも思ってんだけど・・?」

大河には悩んでる事、バレていたようだ。

「えぇ?まぢでぇ?悩んでないよ?!アホ!」
私はいっつもとおんなじテンションで言った。
「ふーん。ならいいや♪」
最後にニコッっと笑顔になった大河。
こんなに自分のこと分かってくれてる奴がいるんだなぁ・・
って思う。
大河なら、私の気持ちを分かってくれるかもしれない・・・と
一瞬思った。
けど、やっぱり、相談するのは怖い。
大河だから、もっと怖い。
いっつも私の見方でいてくれる大河に
「あんな人やめろよ!!」って言われると、
立ち直れないと思う。
匠輝は、悪いことしかしていないっていう、
みんなの妄想を、私の心の中まで、流されそうだから、
立ち直れないとおもう。
いや、立ち直れない。

今まで、何度も相談しようと思ってきた。
匠輝のことを・・。
けど、話せない。
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