わすれたくて・・・
「う、うれしくて・・・わた、わたしのことそんなに考えてくれてるなんて・・・
なんか、ご、ごめんね?」
「なんだ・・・、そんなことか・・・
てっきり俺、ひどいこと言っちまったのかと思って・・・・」
「ありがと。」
「いや、いいよ・・今まで長い間一緒にいたのに、
全然力になれてないし・・。」
「そんなことない!私、大河に何回も救われたことあるよ・・?
・・・あのね、私の悩んでることね・・?」
「ムリに言わなくていいよ?今は泣いてて、ちょっと気持ちが不安定だろうし。
けど・・・・・」
「・・・・・?けど・・・・?」
「・・つくな・・」
「え?なんて言ったの?聞こえなかった。」


「・・・・・俺には嘘ついてもいいけど、
自分の心にだけは嘘つくな・・・!!」

「・・・大河・・ありがとう。」
「いいよ・・。んじゃ、今日は帰るな?」
「うん。」
大河がドアに手をかけたとき、
『泣きたくなったらいつでも言えよ?』って言った。
そして、少し顔を微笑まして、走って帰って行った。

泣きたくなったらいつでも言えよ?
って・・・・、ありがとう、大河。

この日、私は決めた。
大河には匠輝のことを言おう。

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