何千年の夏休み
プロローグ
逃げなきゃ殺される…!
幼い私の脳はそう判断した。
「夕!!待ちなさい!!」
「や…やだ…っ…着いてこないで!」
息切れをしながらも休む暇なく暗い道を走り抜ける。木と木が私を包むように立っている。そんな私の後ろから誰かが着いてきていた。
着いてきていると言うよりは追いかけてきている。
そして
それに捕まれば私は殺される。
追いかけてきている“誰か”は知っていた。
いつも一緒に居るから─…