何千年の夏休み
「夕~久しぶり~!」
長い髪を揺らしながら笑顔を浮かべ私に近寄ってくる女の子。
「…え?」
きょとんとした表情を浮かべ目の前の女の子を見る。
すっかり成長したのか私は覚えていなかった。
「凪沙だよ、酷いなあ~」
言葉の割には嬉しそうにニコニコと笑っていた。
凪沙(ナギサ)……
凪沙…
…あぁ…!!クラス一緒だった子ね!
「やっと思い出してくれた?」
「…まあね、すっかり大人になったね!」
私も相手の笑みに攣られ笑みを零すと暫く凪沙と話をしていた。
お兄さんは村長さんの近くへ座り大人達と話している。
流石お兄さん…
あんな年寄りに囲まれて話が通じるなんてスゴイ。
政治の話とか大人びた話してるんだろうな…
遠目にそれを見つめると再び視線を凪沙に戻す。
「夕、こっちにおいでよ!私の友達も居るんだ~」
そう言って手を引かれるままに着いて行く。一番端の長い机の端へ行くと凪沙が友達らしき人に私を紹介した。
「この子が私の小学校の時の親友~!皆宜しくしてやってね。」
相変わらずニコニコと笑みを浮かべたまま話している。
好かれるタイプだろうなぁ…なんて思いながら。