何千年の夏休み


中には小学校の時の友達や、友達の家族も居た。殆ど私の知っている人達ばっかだったけど、此処へ越してきた人も居るらしい。


凪沙のお陰で色んな人と、この夏休みを馴染めそうだ。


夏休みは一か月と9日もあるからね…。


「あ…ちょっと私お手洗い行って来るね。」


そう凪沙に言うと立ち上がり畳の部屋を歩み、廊下へ出た。


障子の戸を閉めると廊下は外同然で、夜風が涼しかった。


満月と部屋の灯りだけが村を照らしていた。



……ご飯も美味しいし、皆優しい子で絡みやすい。



だけど…心はポッカリと穴があいていた。


あの部屋の1人分空いた席と同じように。


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