何千年の夏休み



…樹月がまだ眠ってるのにも関わらず私が楽しんでいいのだろうか?


夜風に黒く長い髪を靡かせながら、満月に問いかける。


だけどそれも独り言になるだろう、だから心の中だけで問いかける事にした。


「…はぁ…」


今日二回目の溜息を漏らすと満月から薄暗い廊下へ視線を戻す。


トイレへ向かうと意外にも広く吃驚した。


久しぶりにこの神社へ来たものだから、すっかり忘れていた。


蚊が電球に纏わりつく。


…トイレへは来たものの…


トイレしたくて来たんじゃないのよね。



なんていうの?


大勢は苦手っていうか…


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