何千年の夏休み
鏡に映る不細工な自分の顔を見つめる。
ねえ…私は何がしたいの?
何を考えてるの?
自分の疑問を自分へぶつける。
これも又独り言になるから心だけの問いかけにしておく。
自分の事を自分が知らないなんて変なの。
蛇口を回しザーッと弾く音を鳴らしながら水が流れ出てきた。
両手を合わせ水を掌に溜めると自分の顔へ向け覆いかぶせる。冷たい水が夏の蒸し暑さには丁度いい。
顔をゴシゴシと洗うと水に濡れた顔を再び鏡で見る。
…相変わらず
不細工な顔。
自分の手で自分の頬を抓る。
これは現世。
私は死んでない
ちゃんと生きてる。
笑みは引き攣ってないだろうか?
ちゃんと笑えてるだろうか?
誰もその問いに答える事はなく、頬から痛みが伝わるだけだった。